モーゼルワインの郷から

8月中旬、ちょうどお盆休みの後半に、ドイツを代表するワイン産地として有名なモーゼル地方でラリー・ドイッチェランドが開催されました。ドイツ人が「母なる川」と呼ぶモーゼル川は、フランスに源流をもつ川で、複雑に蛇行しながら東へ進み、コブレンツの町で「父なるライン川」に合流します。モーゼル川の両岸の丘陵にはワイン用のブドウ畑が広がり、初夏は初々しい緑が斜面を覆います。


この地方のワイン造りは古代ローマ以来の産業で、今日では一帯にドイツ語で“ヴァイングート(Weingut)”と呼ばれるブドウ栽培から醸造、瓶詰、出荷までを行うワイナリーが点在しており、チームが投宿したのもそうしたワイナリーが経営しているプチホテルでした。
     

拠点となったトリーアの町は、ドイツ最古の都市として知られています。ラリー・ドイッチェランドのセレモニアルスタートやフィニッシュの背景ともなり、トリーアの象徴となっているのがポルタ・ニグラ。トリーアの歴史的な建造物は1986年にユネスコの世界文化遺産に登録されており、古代ローマ時代の建造物であるポルタ・二グラもその一部です。
トリーアでは、新しい建物を建てるための調査などで少し地下を掘るとローマ時代の遺跡が出てくることが珍しくありません。そのため、建築計画の撤回や延期はしばしばとか。ちなみにトリーアでは古代ローマ時代の遺跡三点セット、浴場と円形劇場と神殿のうち前2つの遺跡を見ることができます。次の写真が、古代ローマ時代、コンスタンティヌス帝の母ヘレナの宮殿を改装した大聖堂の南側にコンスタンティヌス帝の宮殿として建てられたバジリカ。バジリカの内部は仕切のない巨大なホールとなっており、厚く堅牢な壁や床に大理石仕上げの内装という豪華な造りとなっています。フランク王国時代には宮殿として使われ、その後トリーア大司教の住居として使われたこの聖堂は、19世紀からプロテスタントの教会として使われ今も現役。また、17世紀にバジリカの南側に建てられたルネッサンス風の宮殿は、今では区役所と博物館として使われています。ちなみに、バジリカも宮殿もともに第2次大戦で損傷を受け、現在見ることができるのは修復後の姿です。
     


ポルタ・ニグラから大通りのシメオン通りをまっすぐに進んだ突き当りがハウプトマルクト広場。大きな噴水が中央にあり、広場はロマネスク、ゴシック、バロックなどのさまざまな建築様式の家に囲まれています。ラリー前の平日にハウプトマルクト市場を散策したところ、ドイツパンやアレンジフラワーなど、つい立ち止まってしまうようなディスプレーが目白押しでした。

       
   


いざラリーが始まると、ラリーチームのメンバーは起きている時間をほぼずっとサービスパークで過ごします。ここで今回のサービスパークでの一部をご紹介しましょう。最初の写真は水曜の車検の様子。数名のオフィシャル(車検検査員)が慣れた手つきでそれぞれ担当の個所に違反や不具合がないか調べます。もちろんSX4WRCは問題なく通過。続いて、バラクラバ(目出し帽)を被ってやる気十分? 面白い格好をしているのがトニ選手の車両のメカニックたち。セレモニアルスタートに向かう2台のSX4 WRCは明日からのラリー本番に向けたセッティングがすでに施されており準備万端です。デイ2の晩には、スイフトが映っている写真の奥に見える白いテントで、ドイツ国内で開催されているスズキ・ラリーカップのPRイベント「スズキ・ラリーナイト」が催されました。そして多くのファンが訪れる週末にはスズキのサービスパークも多くのファンでにぎわいました。

     
     


最後に、現地の食文化に少しだけ触れておきます。
今回の開催地であるモーゼル地方は、ラリーの記念品としてワインが振舞われるほどのドイツワイン名醸地ということで、あるワイナリーを見学させていただきました。分厚い壁の醸造所内は一定の温度と湿度に保たれていて、現代的な醸造設備と昔ながらの熟成用の樽が並んでいます。モーゼル産のリースリング種のブドウだけを原材料に醸造され、緑色のボトルに詰められて出荷される風味豊かな白ワインはドイツ産のハムやチーズによく合います!別のレストランで食べた名物料理の鹿のシチューは肉がやや硬く独特の風味でした。

 


定番のお土産として、世界的に有名なドイツのお菓子、ハリボーのグミやヴェルターズ・オリジナルのバター飴を挙げておきます。身近に買える商品なので、ドイツ気分を味わいたい時はぜひ!



 

 

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