ラリーではPRも大忙し〜ラリー・オブ・ターキー日記〜

前回、サルディニアからギリシャまでの経路をご紹介したので、今回もギリシャからトルコまでの移動の話から。今回、ギリシャのパトラからトルコのアンタルヤまでラリーカーやサービスカー、レッキ用の車両などを運ぶのはWRC主催者のチャーターしているRO-RO船。サヴォナからヨルダン、ヨルダンからサルディニアまでの移動にも同じ業者のRO-RO船が使われました。RO-RO船(ローローせん;Roll-on/roll-off ship)とは、車両が自走で乗船・上陸でき、車両のみを収容して運搬する構造になっている貨物船のことで、一般的にトレーラーやコンテナトラックの移動に使われ、フェリーと違い一般の旅客や乗用車は運びません。WRCでチャーターしている船には全マニュファクチャラーズ、ISC等の車両だけが積載されるので、チームメンバーはトラックやサービスカーの運転手を含めて全員空路、車は海路と、別々での現地入りとなりました。


アンタルヤに到着した車を出迎えて、ケメルのサービスパークまで車両の移動を終えると、早速サービストラックの作業台一面にリビルト用の新しいパーツを並べ、ギリシャで使った2台のSX4 WRCのリビルトが始まります。

SX4 WRCが臨戦態勢にセットアップされる一方で、ドライバー陣は広報活動。こちらは、はるばるオーストラリアからスズキ・ワールドラリーチームを応援に来てくださったスズキディーラーの皆さんが、彼らの泊るホテルで開いてくれたバーベキューパーティーの様子。熱心なインタビューにP-G・アンダーソン選手が応じました。


一方、こちらはアンタルヤ(トルコ)のスズキディーラーで開かれたPRイベントの様子です。会場にはトニ・ガルデマイスター選手とP-G・アンダーソン選手のサインを求めて長蛇の列。両選手とも、笑顔で応えます。その後のカクテルパーティでは大きなケーキが用意され、トルコ・スズキの社長のセリル・ドゥルマズ氏から直接ドライバーに振舞われました。

再びサービスパークに戻ってみると、見慣れないパーツを発見。砂埃がひどい今回のイベントでは欠かせない、フロントウィンドーの保護シールドです。飛んでくる小石はスピードが乗っていて十分に破壊力があるため、このシールドでウィンドーの破損といった大惨事を防ぐのです。
チームのテントを後にしてサービスパークのコンコースを歩いていると、体育館のようなドームが設営されていました。なんと、ドームの中はスケートリンク!気温40度近いトルコの、しかもサービスパークの中でスケートリンクに出くわすとは想像もしていませんでした。冷気が下にたまる構造になっているようで、氷が溶けることもなく、ラリー中の週末は賑わいを見せていました。


いよいよラリーが始まると、ベルギーのスズキのディーラーが招待した20名ほどの応援団が、胸に赤いSのマークの入ったおそろいの黄色いTシャツを着てチームを激励しに来てくれました。ドライバーも集まって記念写真をパチリ。チーム一同、大いに元気づけられました。
サービスパークでは携帯電話向けのリザルト配信のプロモーションやグッズの配布を行う女性スタッフが大活躍。今回スズキ・ワールドラリーチームのPRスタッフとしてチームを盛り上げてくれたのは2人のトルコ美女。彼女たちは、木曜のセレモ二アルスタートを兼ねたアンタルヤのスーパースペシャル・ステージでも客席を回り、地道なプロモーションに努めてくれました。


       
   


ケメルやアンタルヤのあるトルコ南部地中海沿岸の平野部は、前回のギリシャが乾いていたのとは対照的に湿度が高く、汗ばむような蒸し暑さでした。
その一方で、ケメルから西の内陸部に目を向ければすぐにスペシャルステージが設けられるような山岳地帯を見ることができ、そうした山々の中は高度の分涼しいようです。ケメルには美しいビーチ、ヨットハーバーが整備されていて、大きなリゾートホテルも多く、表通りやビーチにはロシア人観光客の姿が数多く見られました。


チームメンバーが宿泊したホテルはオランダの街並みを模した大規模なホテルだったのですが、やはりロシア人がいっぱい。他チームのロシア人メカニックから聞くと、この辺は近年ロシア人に人気のマリン・リゾートで、ちょうど日本人にとってのハワイのような感覚なのだとか。ロシアの経済発展に伴って、トルコのリゾート地が整備されているというのが面白いです。


華やかな表通りを離れてしばらく行くと、観光客の姿が消え、小さな店の軒先にモペットや自転車が連なっていたり、スズキのバンが停まっていたりする生活感のある街並みが見えてきます。フォードのトルコで生産している車両のブランド「OTOSAN」の幌付きトラックが乗客を何人も載せて国道を走っているのもトルコらしい風景!


程よく雨が降り、地方によって気温に差があるトルコでは、各地で果物の生産が盛んです。今回ラリーの行われたアンタルヤ地方はイチゴや、サクランボ、桃、メロンといった果物各種の名産地で、八百屋の店頭には新鮮な果実が山積みになっていました。また、思わず目を奪われるのはトルコ菓子のショーウィンドー。カウンターにカラフルなロクムが並んでいる様子はまるで日本の和菓子屋さんの店先のようです。ロクムは前回ご紹介したギリシャの「ルクミ」の元祖といえる日本の求肥にも似たお菓子です。14〜15世紀ころから原型となるお菓子が作られていましたが、18世紀になりヨーロッパからトルコに砂糖が輸入されるようになって、それまで使っていた蜂蜜や果糖の代わりに砂糖が用いられるようになると、今日のロクムの味が出来上がりました。19世紀にイギリス人がロクムを「ターキッシュ・ディライト(トルコ人の喜び)」と称して紹介して以来、ヨーロッパではその名前で親しまれています。ロクムはシンプルなお菓子で、砂糖、コーンスターチ、クリーム・オブ・ターターを混ぜ合わせたものをベースにばら水やミント、レモン等の香料を加えたりピスタチオナッツやヘーゼルナッツなどの木の実やドライフルーツを練りこんだりして作りますが、美しくおいしいロクムに仕上げるには温度や混ぜ方に細かな注意が必要とされ、料理好きのトルコ人でも店で購入するのが普通だそうです。

     


今回のトルコの地中海沿岸の地域も、サルディニア・ギリシャに引き続き魚介類の宝庫なので、食事時にはエビやイカ、魚をふんだんに使ったおいしい料理を食べることができました。トルコはイスラム教国なので、肉料理というと羊肉やチキンが出てくるのがギリシャと大きく違うところですが、オリーブオイルとトマト、そして乳製品が多用されるなど、トルコ料理はおおむねギリシャ料理と似ています。また、トルコはイスラム教国としてはアルコールには寛容なようで、古代ギリシャ遺跡エフェスの名を冠した「エフェス・ビール」が国内で醸造されており、人々に親しまれています。ギリシャ同様のピルスナー系のビールで、しっかりした味付けの羊肉料理にもよく合います。



 

 

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