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スウェディッシュ・ラリー パドックレポート

パンクに備えてスペアのスタッドタイヤ、ピレリの「ソットゼロ・アイス」が2本積まれています。
グラベル、ターマック、スノー、アイスの各コンディションに対応するトレッドパターン、構造、コンパウンド、スタッドの組み合わせがそれぞれ1つに限定されているため、今回のスウェディッシュ・ラリーにはどのマニュファクチャラーも基本的にはこのタイヤで臨むことになります。 黄色い尖った粒に見えるのが、雪氷に食い込んで強いグリップを発揮する隠れた主役、スタッドです。
日本では「スパイク・ピン」という呼び方で知られていましたが、路面を荒らすため禁止されて以来めっきり見かけなくなりました。スタッドの穴にはコンパクトなプラグが付いていて、硬い地肌がむき出しになっている路面を通過するときなどに容易に抜け飛ばないよう工夫されています。 トレッドパターンはブロック型で、トラクションを最大限に発揮させるため各ブロックの幅は狭く、溝はかなり深めになっています。トレッドパターンは非対称で、写真で見て上側になっているのが車の内側を向き、下側になっているのが車の外側を向きます。
また、写真からは分かりませんが、2008年からFIAのレギュレーションによりムースの使用が禁じられたため、パンクや障害物に備えてサイドウォールが強化されています。


ラリーカーの修理・整備などの作業をまとめて「サービス」といいます。サービスは基本的に「朝・昼・晩」の3回で、それぞれ20分前後に設定されている規定時間内に作業を終えなければなりません。サービスを行う場所が「サービスパーク」です。サービスパークは、埠頭や駐車場など全チームが作業できる平らで広いところに設けられ、各チームに十分な広さの敷地が割り当てられます。サービスパーク以外でメカニックが作業することは禁じられていて、SSやロードセクションでトラブルがあるとクルーは自力で対処しなければなりません。

サービスパークからあまりにも遠いところにSSが設けられる場合など、昼にいったんサービスパークまで戻ってくるのが日程的に厳しいイベントもあります。そんなときに設けられるのが「リモートサービス」。2004年に導入されたこのサービスでは、ロードセクションの途中に設けられた区域でタイヤ交換および車載の工具(ジャッキ、タラップ、ホイールスタンド、トルクレンチも)と車載のスペアパーツを使った軽い整備ができます。作業できるのはメカニック2人とクルー2人の計4人で、時間は通常のサービスより短めです。リモートサービスが設けられるラリーでは、朝にサービスパークを出てから、晩のサービスに辿り着くまでは大がかりな作業ができないので、クルーは通常より一層マシンを気遣いながら走行しなければなりません。

ちなみに、昔はサービスパークという制度自体が存在せず、競技中はいつでもどこでも整備してよいことになっていました。そのため、以前はメカニックの一群が工具やスペアパーツ満載のサービスカーでSSの前後などに先回りしてラリーカーを待ち構え、必要なら重整備までこなす風景が見られましたが、96年のサファリを最後に見られなくなりました。リモートサービスは、主催者にとってはラリールートの設定が比較的に自由になるメリットがありますが、チームとしては、クルーにドライビングだけでなく整備のスキルを求めることになったり、メカニックを派遣する手間や輸送コストがかかったりなど、負担がかなり大きく、導入翌年の2005年に一度廃止されたのですが、2007年に再び導入されて今に至っています。

今回のスウェディッシュは、実はデイ1からデイ3まで3日間とも昼がリモートサービスでした。というのも、サービスパークとSSの舞台となるエリアがかなり離れているからです。実際スウェディッシュはWRC各ラウンドの中でもロードセクションが長いラリーの1つです。リモートサービスの導入によって、かなりロードセクションを短くできるので、日照時間の短いスウェーデンで円滑にラリーを進行するのには必要なシステムといえるでしょう。今回デイ1のリモートサービスの置かれたスンネ、デイ2・デイ3のリモートサービスが置かれたハーグフォシュはカールスタッドと並びラリーのホストタウンのようでした。



スウェーデンで売れ筋の「スズキ車」です。
バギー、正式にはATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車)と呼ばれるこれらのクルマは砂地・ダート・雪の上まで、とにかくどこでも元気良く走り回れるスポーティな乗り物で、アウトドアの遊びが盛んなアメリカのカリフォルニアやヨーロッパの地方で大人気。ここスカンジナビア半島でもポピュラーらしく、サービスパークにも地元のスズキディーラーによって展示されていました。


P-Gアンダーソン選手とヨナス アンダーソン選手は、カールスタッド近郊の出身。しかも、今大会WRカーに乗る唯一のスウェーデン人ということで地元メディアの注目度が高く取材も殺到。公式プログラムからラリー専門誌・スポーツ新聞まで多くの媒体で特集記事が組まれました。ラリードライバーを多く輩出してきたスウェーデンの、ニューヒーロー誕生です。

 

 

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