スズキ、スペインの高速コースでポイント獲得を狙う

サーキットを思わせるような圧倒的なスペインの高速ステージを舞台に開催されるラリー・ド・エスパーニャはWRC全ラウンドの中でも最高速のターマックイベントだ。コーナリングスピードや曲率の異なる大小様々なコーナーが連続するステージを無駄のないラインでしなやかに走るため、2台のスズキSX4 WRCには、路面に吸いつくようなサスペンションセッティングが施される。
近年まではカタルーニャ・ラリーと呼ばれ、伝統的なイベントのひとつに数えられるラリー・ド・エスパーニャだが、バルセロナの南に用意された新たなステージで開催されるようになったのは2005年からのことだ。ヘッドクウォーターは有名なテーマパークであるポルト・アベンチュラに置かれ、ラリーのルートは海岸沿いのリゾート地であるサロウ周辺を巡る。
行楽客をぞくぞくさせるジェットコースターさえ、チャレンジングなスペインのステージを突風のように駆け抜ける最新鋭のWRカーの姿には見劣りするだろう。路面は全体的にスムーズでクイックだが、ところどころに古く凹凸の多い低速セクションがクルーを待ちかまえている。勝敗を分けるコンマ1秒のロスをそぎ落とすためには、正しい走行ラインを記した正確なペースノートが欠かせない。
前回、ドイツでトニ・ガルデマイスター選手とP-G・アンダーソン選手は価値あるマニュファクチャラーポイントを獲得している。両選手は、SX4 WRCが今年これまでに発揮してきた性能から、アスファルト上でのポテンシャルに大いに期待を寄せている。
ラリー・ド・エスパーニャはドイツとは大きく異なるキャラクターのラリーだが、不安定な天候は共通だ。ヨーロッパは現在、秋。スペイン東南部のカタルーニャ地方も雨の可能性は免れない。


カーニュース
2台のSX4 WRCの基本的なセットアップは1か月以上前のドイツで使われた時と概ね同じだが、車高はドイツのときよりも大幅に下げ、スプリングはより固いものを入れる。とはいえ、インカットの際にオイルサンプを損傷するリスクを考えると車高を下げすぎることはできない。カタルーニャでは適切なインカットは成功の秘訣だが、インカットしてタイヤの中でも弱い部分であるサイドウォールが道路の端とこすれるとパンクの原因となるし、コーナー内側の路面に出ている石や岩もしばしばトラブルの原因となる。F1で車両セッティングが成否を分けるように、このラリーでは的確なセッティングを施すことが勝敗を決めるひとつの要となるのだ。
全開で飛ばすセクションの多さとこの地域の高度はエンジンの耐久性を極限まで試すだろう。そして、ハードなブレーキングを要するセクションではブレーキの容量と冷却系の性能が試される。SX4 WRCが過去2回経験してきたターマックイベント、モンテカルロとドイツのいずれとも大きく異なる今回のカタルーニャでのチャレンジは、スズキ・ワールドラリーチームが挑む冒険の新たな章となるだろう。


ドライバーニュース
ラリー・ド・エスパーニャは若手のアンダーソン選手がベテランのガルデマイスター選手よりも経験豊富な数少ないイベントのひとつだ。33歳のガルデマイスター選手はこれまでに5回カタルーニャ・ラリーに出場しているが、近年サロウ周辺で開催されるようになってからは1度しか参戦していない。一方、過去4回カタルーニャを走っているアンダーソン選手は、サロウ周辺の新しいステージを2度走っており、昨年はJWRCクラス優勝に至っている。アンダーソン選手にとって、カタルーニャ・ラリーは、2004年に初めてのJWRCタイトル獲得を決めた思い出のラリーだ。
いずれにせよ、今回のラリー・ド・エスパーニャは、ドライバー両名にとって、次戦コルシカ・ラリーに向けた重要なウォーミングアップとなるだろう。

ガルデマイスター選手 コメント
「僕は2005年の後はカタルーニャ・ラリーを走っていないから、どんなコースだったかよく覚えていない。嫌いなイベントではないけれど、ちょっと苦手意識があるよ。どういうわけか、カタルーニャでは何かしら問題が起こって、良い成績を逃すことが多かった。今回、ライバルが多いから簡単にはいかないだろうけれど、SX4 WRCの信頼性さえあれば、ポイント獲得は可能だと思うよ。」

アンダーソン選手 コメント
「ターマックでの経験は少ししかないけれど、スペインでは良い走りができそうな気がする。2007年のJWRCの時みたいにね。このラリーを攻略するためには、押さえなければいけないポイントがたくさんある。たとえばコーナーカットのやり方。もしもカットしすぎると車両を傷めてしまう。でも、ある程度カットしなければいいタイムは刻めないんだ。SX4 WRCはこのイベントまでに地道に改良されてきているし、デフのセッティングも新しくなっているから、きっと運転しやすいだろう。」


チームニュース:
ラリー・ド・エスパーニャはSX4 WRCにとって4度目のターマックイベントだ。今回のイベントを通じて、チームは高速のターマックステージについて多くを学ぶことになるだろう。とはいえ、ドイツのターマックコースでは2台のSX4 WRCがともにポイントを獲得する好走を見せており、SX4 WRCの舗装路での走行性能は非常に頼もしい。
このイベントのロジスティクスの手配はきわめて複雑だ。車両や機材一式は、ラリー・ド・エスパーニャ終了後そのまま次のラウンドであるコルシカに向けて運ばれる。どうしても必要があればコルシカの直前に追加の搬入も可能だが、基本的に、チームは連続する2イベントをこなすのに十分なスペアパーツや機材を用意してカタルーニャに臨まなければならない。今回、スズキ・ワールドラリーチームにとっては初めての連続するイベントであり、チームにとっては、これもまた一つの試練となるだろう。


スズキ・ワールドラリーチーム チーム監督 稲垣秋介 コメント
「ラリー・ド・エスパーニャは大変難しいラリーです。かなり高速のラリーであり、難所も多い。チームとしては、ここ最近発揮している高い信頼性を引き続き維持し、また、アスファルトに適したセッティングを見つけることが重要になります。それらは、すぐ次の週に控えているコルシカでのラリーにも活かすことができます。ドイツ以降、私たちはSX4 WRCに若干の改良を施し、アスファルト上での性能向上に努めてきました。スペインではその効果を検証します。大きなチャレンジですが、やりがいを感じています。」



 
   
 
 
 
 
 

 

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