スズキ・ワールドラリーチーム、南半球の高原地帯に挑む

アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスから北西に700kmほど離れたコルドバの街を拠点に開催されるラリー・アルゼンティーナは、前回のラリー・メキシコとは対照的なキャラクターのグラベルラリーだ。ドライバー達はメキシコの熱と岩とはうって変わった冷涼な空気と柔らかくルーズな路面に直面することになる。

スズキ・ワールドラリーチームとしては、早々に戦線から離脱することになってしまったメキシコの雪辱を果たして幸運を呼び戻したいところだ。SX4 WRCが本来の性能を発揮し、トニ・ガルデマイスター選手とP-G・アンダーソン選手が実力を100%発揮して走ることができれば、チームを良い流れに導くのはそう難しくないだろう。トニ・ガルデマイスター選手は今回のラリーを終えた直後の月曜日に33歳の誕生日を迎える。彼の100回目のWRC参戦を良い結果で飾ることが出来なかった分、チームの全員がその誕生日を楽しいものにしたいと望んでいる。
ラリー・アルゼンティーナは月面のような地形と地元ファンの熱狂が相まって、WRCにおけるハイライトのひとつに数えられる。実際、今年の15戦の中で最も見どころの多いラリーの一つであり、高山地帯に設けられるステージは、息を呑むほど美しい景色や鋭い尾根、そして激しいウォータースプラッシュに彩られていて非常にドラマチックだ。とはいえ、この時期の南半球はちょうど秋なので、雨と霧が視界を妨げるかもしれない。また、メキシコと同様に高地のため、伝統的な山岳ステージのジュリオ・ケザーレやエル・コンドールではエンジンパワーが大幅に損なわれるだろう。さらに、路面を覆う砂は柔らかく、SX4 WRCのトラクションとグリップ力が試される。
今年のラリー・アルゼンティーナには真新しいスーパースペシャルステージが用意される。コルドバスタジアムに設けられるそのスーパースペシャルステージが、デイ1〜3の各日を締めくくるステージとなる。イベント全体では21のスペシャルステージが設定され、その総距離は347.19kmに及ぶ。
>>ラリー・アルゼンティーナ公式サイト: www.rallyargentina.com

カーニュース
ラリー・アルゼンティーナの個性的なコースに臨むに当たり、スズキ・ワールドラリーチームではSX4 WRCにさまざまな調整を施している。特に重視しているのが派手なウォータースプラッシュへの対策だ。車体やエンジンが受ける水や衝撃によるダメージを緩和するため、車体前部は水をすばやく効率よく分散させるよう特に考えられており、エンジンについてはタフなコンディションに耐え抜くよう信頼性と耐久性が向上されている。
スズキは一度だけ、2006年のJWRCにおいてスイフト・スーパー1600でラリー・アルゼンティーナに出走し、クラス優勝を勝ちとる快挙を達成したが、スーパー1600とWRカーはまったく別な次元の車両だ。路面はおおむね柔らかいが、場所によりタイヤとの相性は異なり、グリップは時々刻々と変化する。アルゼンチンの大地の上を初めてSX4 WRCで走らせるスズキ・ワールドラリーチームにとっては、シェイクダウンが何より重要なセッティングのチャンスとなるだろう。
レギュレーションにしたがって、他のマニュファクチャラー同様、SX4 WRCにはピレリ製のハード・コンパウンドの新タイヤ、スコーピオンが装着される。今回のいくつかのステージでは、路面が冷えている場合、タイヤが十分に暖まらないかもしれない。

ドライバーニュース
トニ・ガルデマイスター選手は、2005年、彼自身にとって4回目のラリー・アルゼンティーナに出場し4位に入賞している。それ以来アルゼンチンの大地を走ってはいないとはいえ、彼は過去4回ともアルゼンチンのパンパを駆け抜ける高速ステージに好感触を得ており、先月のスウェディッシュラリーに続くポイント獲得を狙っている。

トニ・ガルデマイスター選手 コメント
「前回のラリー・メキシコの後、少し体調を崩してしまったんだ。だから、今回の出だしは万全とはいえないかもしれない。でも、アルゼンチンは大好きなイベントだ。ここ2年間行っていないだけに、今回走ることが出来てとても嬉しいよ。ステージのコンディションはそうそう昔と変わっていないと思う。だから、2年間のギャップはそこまで不利だと思わなくても良いんじゃないかと思うよ。もちろん、それ以前に車両の信頼性の確保は大きなポイントだし、天気の先を読むことはいつだって重要だ。たくさん見せ場があるイベントだから、慎重なドライビングを心がけてトラブルを避けて最後まで走りたい。そうすれば必然的にポイントもついてくるはずだ。」

一方、今年からWRカーに乗り始めたルーキーながら、フロントランナーについていけるほどの速さを見せているP-G・アンダーソン選手は、前回メキシコで一時は総合6位につけながらもリタイアせざるを得なかった悔しさを、ラリー・アルゼンティーナで晴らすべくイメージトレーニングに励んでいる。

P-G・アンダーソン選手 コメント
「僕は以前一度だけ、2005年にアルゼンチンを走ったことがある。2度目となる今回は、僕にとって大きな挑戦といえるだろう。高速コースで、しかも滑りやすい路面でラインを外さずに走るのは難しいだろうし、ステージには個性的なポイントが色々とあるから、コンディションに応じて車をすばやく適応させるのも大変だろう。でも、今年に入ってから『大きな挑戦』は既にたくさん経験している。最大の課題は、イベントの間中走り続けることだよ。」

チームニュース
メキシコでのエンジントラブルの調査を終え、スズキ・ワールドラリーチームは体勢を立て直し、今後の各ラウンドでポイント獲得を狙って走り続ける。ラリーに必要な機材一式は前回ラリー・メキシコの舞台となったレオンからアルゼンチンに直送されており、エンジンについては日本から新しいものが届いている。
今回スズキ・ワールドラリーチームにとって大きな変化といえるのは、ポール・ワイルディングのチーム・マネージャーとしての参加だ。オーストラリア出身ながら英語に加え流暢な日本語を操るワイルディングは、これまでJWRCにおいてスズキのチーム・マネージャーとして長年ラリーに係ってきた実績があり、役職について十分な理解と経験がある。

チームプリンシパル 田嶋伸博 コメント
「アルゼンチンは非常に厳しいイベントとして有名です。ソフトな路面にはしばしば鋭利な石が紛れているものです。メキシコ以降、私達はエンジンの信頼性向上に力を尽くしてきました。今回は確実に完走し、今度こそエンジンに気を取られることなく車両各部の評価をし、今後より高いレベルに到達するために必要なことを見つけてゆく心積もりです。ドライバー両名にはまず完走することを最優先にするよう伝えています。もちろん、それでポイントを得ることができれば最高です。」

 










 
   
 
 
 
 
 

 

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