スズキにとって大きな試練となったラリー・メキシコ

スズキ・ワールドラリーチームの2台のSX4 WRCは、初のグラベルイベント、ラリー・メキシコからのリタイアを決定した。デイ1は一見順調に幕を開けた。P-G・アンダーソン選手は安定したペースで最初の3つのステージを走破し、どのステージでも上位8位内のタイムをマークしてみせた。しかしその後レオンのサービスパークへ帰還する途中、アンダーソン選手は急激なパワーロスに気付く。サービスパークに戻ってきたアンダーソン選手のSX4 WRCのエンジンを仔細にチェックした結果、チームは再スタートをしないことを決めた。
一方、トニ・ガルデマイスター選手のエンジンにはオープニング・ステージでトラブルが出た。スロットルが間欠的に応答しなかったのだ。それでもガルデマイスター選手は午前中の3ステージを走りきり、午後のSS4に出走したが、ステージを走り始めて間もなくSX4 WRCを停め、チームはリタイアを決めた。ガルデマイスター選手にとって今回のイベントは100回目のWRC参戦だっただけに、非常に残念な結末となってしまった。
2基のエンジンは、一度エンジニアの待つ日本に戻し、詳細な分析にかけられる予定だ。

カー・ニュース:
SX4 WRCは、第2戦スウェディッシュラリーから3週間を経て今シーズン3戦目に突入したばかりだった。これまでの2戦ではポイントを獲得してきたが、それにいたるまでのテストや開発の期間は理想とかけ離れて短かった。SX4 WRCにとって今回のイベントは、昨年末のウェールズ・ラリー・GB以来2度目のグラベルラリーだ。しかし、ラリー・メキシコの特徴でもある標高の高さが、乾いたルーズな路面の上をハイスピードで走るSX4 WRCのエンジンに過度な負担をかけたのかもしれない。

P-G・アンダーソンの車輌は午前中の3ステージでは順調なパフォーマンスを見せた。彼がサービスパークに戻ってきたときの順位は6位で、それはスズキ・ワールドラリーチームにとって過去最高の暫定順位だったほどだ。しかしその後、サービスパークに戻るまでのロードセクションでエンジンにトラブルが発生し、サービスでの検討を経て、チームはその場でのエンジン回復は不可能と判断した。アンダーソン選手の走りには何の問題もなかったが、残念ながらリタイアが決まった。
ガルデマイスター選手もエンジン関係のトラブルに最初のステージから悩まされた。チームは今回のこれらのトラブルを解決するため、これから根本的な原因を追究していく。

ドライバー・ニュース:
トニ・ガルデマイスター選手は次のようにコメントしている。
「とても残念だけれど、僕の100回目のラリーは嬉しくない意味で記憶に残るイベントになってしまった!僕たちは今回、観客に何もいいところを見せることが出来なかった。最初のステージからエンジンが不調でパワーが出ていなかったから、僕たちにできたのは、ただ何とか午前中のステージを走りきることだけだった。全然パワーが出ないのではなく、ときどきパワーが戻るから、なんだか変な感じだったな。チームはこの問題を絶対に解決してくれると信じているよ。とにかく、このマシンは新しくて、まだまだ未完成だということを改めて自覚させられた。今シーズンの後半に向けて、僕としても一生懸命開発に取り組んでいくつもりだよ。」

一方、P-G・アンダーソン選手はこう語っている。
「午前中のステージを終えた時点での順位は6位だった。SX4 WRCのパッケージが、メキシコのグラベルに通用する性能を持っているということが、少しではあるけど証明できたと思う。実際、午前中の3箇所のステージは順調に走ることができたんだ。サスペンションのセッティングには若干難航したけどね。このイベントの前に今のマシンでグラベルを走ったことがない、ということを考えると、午前中についてはまずまずの結果だと思っているよ。ロードセクションで発生したエンジンのトラブルには本当にびっくりした。もしトラブルがなかったら、きっと良い順位で走っていられたんじゃないかと思う。その場合には、絶対ポイントだって獲得できたと思うよ!」

チーム・ニュース:
スズキ・ワールドラリーチームを率いるチーム・プリンシパルの田嶋伸博は次のように語っている。
「ドライバー達に対して、非常に申し訳なく思います。特にトニ選手にとっては、今回は記念すべき100回目のWRCイベントでした。なのに、トニ選手は序盤から走りを披露するチャンスを奪われてしまいました。P-G選手はリタイアの直前まで好調な走りを見せていましたから、車輌の基本性能はやはり高いといえると思うのですが・・・。とにかくチームの誰にとっても、本当に、受け入れがたいくらい残念な結末になりました。今シーズン、モンテカルロでもスウェーデンでも私たちはエンジントラブルに悩まされてきました。今回も同じ原因によるものではないかとにらんでいます。いずれにしても、綿密に車輌全体を検査しなくてはなりません。エンジンが根本的な問題を抱えていることはもはや間違いありませんが、現行のレギュレーションでは1つのエンジンを3戦で組み合わせて使う規定になっていて、イベントの間で仕様などを変更することが許されていません。新参チームとして、できる限り早く開発し競争力を高めていきたいのですが、それが難しい状況です。今回のイベントは私たちに厳しい現実をつきつける試練のように感じられます。この悔しさをバネに、次回からのラウンドに向っていきたいと思います。」



DATE
SS 01
SS 02
SS 03
SS 04
SS 05
SS 06
SS 07
SS 08
2/29(金)
22.96
23.83
18.87
22.96
23.83
18.87
2.21
2.21

Pos.
Driver
Manufacturers
Time
1
J. LATVALA
1:23:38.6
0.0
2
S. LOEB
1:23:48.2
+9.6
3
C. ATKINSON
1:24:01.0
+22.4
4
P. SOLBERG
1:24:40.5
+1:01.9
5
M. HIRVONEN
1:24:49.2
+1:10.6
6
H. SOLBERG
1:26:22.2
+2:43.6
7
M. WILSON
1:26:31.5
+2:52.9
8
F. VILLAGRA
1:29:08.6
+5:30.0

 
   
 
 
   
 
 

 

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